私たちひとり親にとって、有給休暇とは生命線ですよね。
休まないといけない日が絶対にあるけど、でも給料も減らされたくない。
こんな葛藤が働くひとり親の皆さんには、あると思います。
そんな時に助かるのは有給休暇。
休んでも、働いたものとして給料が出るんですね。
私も何度、助けられていることか…。ありがたや。
有給休暇とは、労働基準法という法律によって認められた、私たち労働者の権利です。
しっかりと有効に使っていきたいものですね。
そこで今回は、ひとり親の皆さんにとっても身近で重要な、有給休暇の基本的な知識について知っておいてもらいたいと思い、この記事を書きました。
誰がとることができるの?
誰が有給休暇をとることができるの?
と言われれば、雇用形態、役職、成績、年齢、性別などを問わず、雇われている人なら誰でもとることができますよ、ってなもんです。(経営者の皆さんはごめんなさい…。対象外)
『あ~?私は有給休暇ないわよ』
というそこのあなた、
有給休暇には、1つだけ条件があって、勤続期間(その会社で働いている期間)が6か月以上で、はじめて有給休暇がもらえることになります。(最初は10日ほど)
だから、入社してどんなにがんばっても、6か月たつまでは我慢、我慢。
(大手企業さんは、入社してすぐ有給休暇がもらえるところもあるようです。うらやましい!!)
どうにかこうにか6か月がたって、10日もらったあとは、1年ごとに、下の表のように、有給休暇がもらえる日数が増えていきます。最大でなんと20日間!!
会社は、この下の図表1の日数より、多く有給休暇をあげることはできますが、それより少なくあげることはできません。違法です。
皆さん大丈夫ですか??
図表1 有給休暇付与日数表
勤続年数 | 6ヵ月 | 1年
6ヵ月 |
2年
6ヵ月 |
3年
6ヵ月 |
4年
6ヵ月 |
5年
6ヵ月 |
6年
6ヵ月以上 |
年次有給休暇日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
社長『入社して6か月勤務したけど、おまえ成績が悪かったので、今年は有給休暇7日な』
社員A『ええ!!そんな!』
これは違法でございます…。
(そもそも大事な社員のこと、おまえって呼ぶのどうよ…。ブラック臭。)
気をつけてくださいね。
ただし、1点だけ注意。
その対象となる期間(上の事例だと6か月)の全出勤日に対して、8割以上の日数を出勤していないと有給休暇はもらえない!!ということなります。
2割を超えて休んじゃうとアウトです。
なんですと!?
それは油断なりませんね。
新入社員B『社長6か月勤務したので有給休暇ください!!』
社長『きみは120日出勤しないといけなかったのに、25日休んでしまったようだね。
8割以上出勤できてないから、今回は有給休暇あげれないよ。次回がんばって!』
新入社員B『ええ!そんなあ…』
このように、例えば、6か月で120日出勤しないといけない人であれば、25日以上休んでしまうと有給休暇をもらえない、ということになります。
おそろしや…。
この問題は、まだ勤務したての我々ひとり親にとって厳しい条件ですよね…。
新しい職場で働き始めたけど、休まないといけない日が絶対にありますよね。
「子の看護の日を除く」とか、なんとか法改正してもらいたいところ。
使わなかった有給休暇はどうなるの?
それと、使わなかった有給休暇はず~とず~と積み立てられれば嬉しいんですが、なかなかそうもいかない!!
社員C『わ~い、10年勤務して、有給休暇ほとんど使わなかったから、161日溜まったぞ。これで半年間休んでも大丈夫だ~ばんざ~い!!』
社長『いやいや、2年以上たった有給休暇は消えるからね。きみ実際は40日だよ。』
社員C『ええ!!そうなの?もったいないことした~!!』
そうなんです!
有給休暇にも消費期限があるのです…。
積み立てられるのは、2年まで。
(もちろん、会社がこれを延長する分には問題ないけど、見たいことない…)
20日間の有給休暇をもらって、全然使わなかったら、2年後に消えちゃいます。
まあ、ただ我々ひとり親は、有給休暇のお世話になることが多いので、あんまり消えちゃうことはないと思いますが…。
一応、覚えておいてくださいね。
正社員じゃないんだけど、有給休暇ってとれるの?
パートD『社長、ボクにも有給休暇ください!!』
社長『いやいや、パートさんには有給休暇がないよ。欲しかったら正社員になりなさい』
パートD『ええ!!そうなんですか…。正社員になるのはちょっと…』
たまに、こういう職場を見受けますが、これは大間違いで、有給休暇は実はパートさんももらえます!!アルバイトさんももらえます!!
(よく間違えますが、法律上は、パート・アルバイトの区別はありませんからね。)
ただ、ごめんなさい、こちらはみんな同じ日数をもらえるって、わけではありません。
週に働く日数等によって、正社員さんより労働日数や時間が短くても、それに応じた日数の有給休暇をもらうことができます。下表を参考にしてください。
図表2 有給休暇の比例付与
週所定
労働日数 |
1年間の
所定労働日数 |
勤続年数 | ||||||
6ヵ月 | 1年
6ヵ月 |
2年
6ヵ月 |
3年
6ヵ月 |
4年
6ヵ月 |
5年
6ヵ月 |
6年
6ヵ月以上 |
||
4日 | 169日から
216日 |
7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
3日 | 121日から
168日 |
5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
2日 | 73日から
120日 |
3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
1日 | 48日から
72日 |
1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
6か月以上がんばって働いているのに、「きみには有給休暇がないよ」と言われている方は要注意です。ブラック臭が漂ってきているぞ!!
有給休暇の雑学いろいろ
(1)有給休暇の取得理由はなんでも良い!
ちなみに、法律では、「有給休暇取得の理由は問わない」となっています。
理由を聞くこと自体はグレーゾーンですが、有給休暇の取得理由を聞いて、有給休暇をとらせる、とらせない、を判断することは完全にアウトです。違法となります。
社長『明日の有休はなんで休むんだ?体調でも悪いのか?』
社員E『いやあ、明日は子どもの参観日でして。』
社長『はっ?そんな理由で休むのか!?それは認められん!!有給休暇は許可できんぞ!』
これは、完全にアウトですね。
パワハラ臭までしてきましたね…。
皆さん、有給休暇届に理由を書く欄がありませんか?
あったら、少しおかしいな、と思ってくださいね。
(2)有給休暇をとったことでマイナスにしちゃだめ!
社長『きみは有給休暇取り過ぎだよ!!ちょっとボーナス減らしておくね!!』
ボク『ええ!!そんな…』(リアクションが思いつかなくなってきました)
これは、完全に違法です。
有給休暇で休んだ日は、「出勤したもの」として扱わなければなりません。
言い方が難しいですが、制度上は「休んでいない」のです。
この点も、十分に注意して覚えておきましょう!!
(3)半日単位の有給休暇が欲しい!!
たまに半日有給休暇がある会社もありますが、これについては、半日単位でとれるかどうかは、会社が決めることができるので、その点は、会社の決定に従わないといけない、ということになっちゃいます。
半日単位で欲しいな、っと思う方は社長と交渉しましょう!!
(大手企業さんだと、1時間単位で有給休暇が取れる制度もあります。いいなあ。)
有給休暇のルールで、今年の4月から変わったこと
休みをとりがちな、我々にどのくらい関係あるか分かりませんが、
今年の4月から、年5日間は絶対に、有給休暇を取らないといけない、というルールに変わりました。(年10日間以上、有給休暇を持っている人が対象)
年に5日間は絶対にとってくださいね~ということです。
これは守らないと罰則があります。
よく聞く、働き方改革の一つですね。
日本は世界でも突出して休みを取らない国なんですって。
もし、有給休暇全然使えてないよ、って方がいらっしゃったら、それは疑問に思った方がいいかもしれませんよ~。
まとめ
繰り返しになりますが、有給休暇は、我々ひとり親のように休みが必要になる従業員さんにとっては、大変ありがたい制度です。
ただし、その制度も複雑なので、会社が必ずしも正しい運用を行っているとは限りません。
これは、会社に悪意がある場合だけでなく、そもそも制度や法律をよく知らなかった、という場合も、とってもよく見かけます。
本当に、さっき出てきた表の通りにもらえてますか?
間違えて少なめにあげているのを私は何度か見たことがあります。
自分たちで注意して見ておきましょう。(有給休暇の日数は、給与明細などに表示されていることが多いですね。)
知らないうちに従業員さんが損しているケースをたくさん見てきました。
労働条件に関しては、ひとりひとりが正しい知識を持つことが大事です。
それでは、また次回!!
※上記の情報は、2019年8月15日時点での法令をもとにしています。