2019年、夏 手足口病大流行
今年6月、西日本から広まりを見せた『手足口病』は
今なお感染が拡大しています。
国立感染症研究所によると、今年の第28週(7月8日~14日)の報告では
41都道府県において1週間で1医療機関あたりの手足口病の患者数が5人を超える警報レベルに達しているとのこと。
文字通り、日本全国で大流行しています。
手足口病とは?
ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)と並んで、子どもの『三大夏風邪』の1つと言われている手足口病。
手足口病とは、どんな病気でしょうか?
手のひらや足の甲、足の裏、口の中などに2〜3mm の水泡のような発疹が出ます。3人に1人が発熱しますが、高熱が続くことはあまりなく、ここがヘルパンギーナとは違います。口の中に出来ると痛みで食べ物や飲み物がとりづらくなるのが特徴です。症状は数日で治まります。
【潜伏期間】感染後、3日~5日で症状が出始める
【感染ルート】飛沫感染及び接触感染
飛沫感染とは…咳やくしゃみなどによって飛び散る唾液に含まれるウィルスが口や鼻の粘膜に直接触れて感染すること。1~2メートル以内の至近距離で感染することが多いです。
接触感染とは…皮膚や粘膜に直接触れてしまうことで感染する『直接接触』の他に、感染者の唾液や鼻水が付着したおもちゃ等を介して感染する『間接接触』があります。
また、感染者の便からもウィルスが排出されているため
オムツの交換などをした際にはしっかりと手洗いをしなければなりません。
【治療方法】基本的な治療はなく、対処療法。発疹や熱が引くまでは安静に過ごし、口内炎があまりひどいようなら、痛み止めや軟膏などで対処する。
繰り返しかかる手足口病!!新型も?
手足口病を引き起こすウィルスは
主にコクサッキーウィルスやエンテロウィルスと呼ばれるものですが、複数の種類があるため、一度かかったらもうかからない!
ということはなく、1シーズンに2回、3回かかる可能性があります。(インフルA、インフルBのように型が違うと想像するとわかりやすいです)
最近では、“新型”と言われる手足口病というのも報告されており、通常の手足口病に比べて、高熱が出たり、発疹が広範囲に現れることから『水ぼうそう』と誤診されるケースもあるそうです。
発症から1~2か月後に爪が剥がれたり、手足の先の皮が剥けたりすることもあります。
忘れた頃に出てくる症状…知らなければビックリしてしまいますよね。
学校は?園は? 登校・登園の目安
学校保健法では、学校で予防すべき伝染病の種類に手足口病は含まれていません。
そのため、症状が落ち着いていて(熱がない・食欲があるなど)
本人の体調さえ良ければ、基本的には登園・登校は問題なく、医師の登園許可証もいりません。
また、厚生労働省が定める『保育所における感染症対策ガイドライン』でも、登園の目安として、熱が下がり、発疹の影響がなく食事が摂れることを挙げています。
とはいえ、園独自の規定があるところもあるかもしれません。
医師や園に相談してみてください。
大人もかかる!!手足口病の怖さ
手足口病の患者の約9割は6歳以下の乳幼児であり、さらにその半数は2歳以下の乳児です。
『手足口病なんて、子どもがかかる病気でしょ?』
と思ってる方も多いことでしょう。
しかし!大人は感染しない、ということはありません。
今年の大流行では、普段なら滅多にかかることのない、大人への感染も報告されています。
大人が感染した場合、子どもよりも症状が重く出やすいことが報告されているとのこと。
発疹は手足や口以外にも、ひじや膝、お尻などに見られることもあり、発疹の痛みは子どもより強く出るため、足裏にできると痛くて歩けないほどになるそう…。全身の倦怠感や悪寒、関節痛や筋肉痛といった症状が出るのも、大人の手足口病の特徴だそうです。
もしもお子さんが手足口病にかかったら…
排せつ物の処理には十分配慮し、手洗いの徹底やタオルの共有を避けるなどして、自分自身への感染を予防したいものですね。